夏バテ防止に旬の魚はいかが?総板長が「夏が旬の魚」を語る

港区の赤坂見附駅近にあるお寿司屋・板前寿司江戸です。

梅雨が明けたと思ったら、猛烈な暑さがやってきましたね。夏バテせずに、みなさんはしっかり食べられていますでしょうか?夏バテ防止には、きちんとした食事を食べることが大切です。どうしても食べる気が起きないときには、大好きな食べ物を食べるといいですよ。

例えば、夏のお寿司は、旬のお魚がたくさんありますのでオススメです。築地から仕入れてきたばかりの新鮮な食材を、お客様の目のまえに並べてご提供している板前寿司江戸では、もちろん夏が旬のお魚もたくさんご用意しています。

今回は、食材について語らせたら板前寿司ではもちろんのこと、寿司業界でもなかなか並ぶものはいない板前寿司の総板長・佐藤が旬の魚についてご解説します。

そもそも「旬」とは何か?

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▲総板長・佐藤

こんにちは。板前寿司江戸で総板長を務めている佐藤です。ここからは、私が夏に旬をむかえるお魚について解説させていただきます。

 

板前寿司江戸では、その時々に応じて、旬を迎えているお魚を提供していますが、そもそも魚の「旬」とはどういうことなのか、皆様はご存知でしょうか?意外と知らない方も多いかもしれません。実は、魚の旬とは、魚の産卵前の状態を示すのです。産卵は生き物にとって大変なエネルギーを消費する営みです。そのため、産卵前にはたくさんの脂肪を魚介類はたくわえて、それが旨みに変わるとというわけです。

 

産卵のタイミングやコンディションというのは、天候の影響を大きく受けます。そのため、夏が旬のお魚といっても、去年と今年の夏が異なっていることからわかるように、同じような味わいを楽しめるわけではありません。旬の魚を味わうことは、五感を通じて季節を知るという乙な日本文化の一部なのです。

新子:寿司職人の全てがこもった逸品

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▲新子

「新子」といえば、光物の定番・コハダの稚魚のことですが、夏の旬の代表格です。夏がきたら新子を食べないと気が済まない方もいらっしゃいます。若い方のなかには、その年の新子を食べる文化がまだ定着していないようですが、若い方にもぜひ新子を召し上がってほしいですね。

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というのも、新子の寿司は寿司職人の技術と意地とプライドがつまった逸品だからです。まず、新子の寿司を握るには、一貫に3~4尾を使うので大量に仕込む必要があり、スピードの面で技術が必要です。さらに稚魚ですので100円玉2枚分くらいの大きさです。そのため綺麗に仕込むには繊細な技術も必要となります。

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技術が必要な新子の寿司ですが、実は、お寿司屋にとっては採算度外視の商品です。それでもご提供するのは、「意地」をお客様に見せたいからです。「今年は新子が高い=今年はできない」と思われた時ほど、平気な顔をしていつもどおりにお出しする。こういうことを、私たちはカッコイイと感じます。言い換えれば、粋なことをしたいんですよ。

そして寿司職人のとしてのプライドが毎年、新子の寿司を握りたくさせます。実は、新子に関して言うと、最初に言った意味での「旬」の魚ではありません。稚魚ですから当たり前です。そのため、味の点では本当の旬の魚には一歩引け目をとるのが事実です。だからこそ、寿司職人が寿司とどのように向き合っているかが、新子の寿司の美味しさに現れてきます。例えば、私なんかは、今目の前のお客様が何も言わない方だとしても、味の本当のことを知っている神様のような方だと信じて握っています。だから、少しでも美味しく、楽しく、食べていただく工夫を怠りません。

新子の寿司は、年々値上がりしています。意地ではどうしようもない時がくるかもしれません。ぜひ、手が届くうちにお召し上がりください。

 

車エビ:鮮度命!生きたままの仕入れにこだわり

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▲車エビ

最近のお寿司屋では、飾りのような役割になっている車エビですが、本当に美味しい車エビを食べてみてください。芳醇な香りと甘みは、魚では味わえない甲殻類ならではのものです。

美味しい車エビを食べるには、最重要ポイントがあります。それは、きちんと生きた車エビを仕入れることにこだわっているかどうかです。甲殻類は新鮮なうちほど美味しいのですが、鮮度が落ちるのが非常に早いため、すぐに味が悪くなります。板前寿司江戸では、生きたままの車エビを仕入れることにこだわっています。時々、板場で跳ね回って困るほどイキがいいものです。

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食べ方も実は重要です。握りではなく、茹で召し上がる場合に試してみてほしい食べ方があります。それは、1分の茹で時間を指定する食べ方です。色は通常通りに2~3分茹でたものには劣りますが、味はピカイチです。もっちりとした触感からあふれ出る甘味がのこっているからです。見た目を良くするために、なかなか1分の茹で時間で出してくれるところはありませんから、板前に伝えて試してみてください。

 

アジ・イワシ・アナゴ:夏は別格。豊かな海の賜物

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▲アジ

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▲イワシ

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▲アナゴ

アジとイワシとアナゴは、年間を通じても定番の寿司ネタですが、夏に食べるものは格別ですので、ぜひ試してみてください。特に、板前寿司江戸は国産のアジ・イワシ・アナゴにこだわっていますので、脂の量も質もことなります。

ところで、なぜ日本近海では美味しい魚がとれるのかご存知ですか?理由は、豊かな山林の栄養を数多の河川が海へと運んでいるからです。そのために、良質のプランクトンが日本近海では育まれ、それを食べた魚も良質の脂を蓄えるようになります。おまけに、日本は多様な海に囲まれているために、年間を通して魚の旬を楽しめる類稀な国です。

旬の概念を、ウォールストリートジャーナルというアメリカの大手新聞に聞かれて、あれやこれやと説明しましたけど、充分には理解してもらえなかったみたいです。旬の概念は日本文化と深く結びついているから、異文化の方にはなかなか理解が行き届かないのかもしれません。板前寿司江戸は、外国人のお客様も多いですので、旬の魚に親しむ楽しさをもっとつたえていきたいですね。