総板長直伝!真髄を極めた寿司の食べ方とは

こんにちは、板前寿司江戸です。11月が目前に迫り、一層秋も深まっていくと思いきや、秋雨前線の影響で冬のような寒さが続きますね。季節の変わり目は体調を崩しやすくなるので暖かくしてお過ごしくださいね。

 

さて、皆さんは寿司を食べるとき、どのようにして食べていますか?おそらく、ほとんどの方が「醤油とわさびをつけて食べる」と答えるのではないでしょうか。むしろ、それ以外の食べ方ってあるの?って逆に質問したくなる人もいるかもしれませんね。今回の記事では、板前寿司の総板長である佐藤が日本人はもちろん、本場の寿司を楽しみたいと考える外国人観光客の方にも試してほしい「究極の寿司の食べ方」を伝授します!シンプルながらにも奥が深い寿司の旨味をとことん追求したい方は必読です。

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「味が良すぎる」醤油は魚の味わいを低減させる?

日本が誇る万能な調味料、醤油。寿司や刺身を食べるときも醤油をつけるのが主流ですね。でも、僕は醤油の味が良すぎるせいで素材本来の味わいが損なわれていると感じるんです。もちろん、醤油をつけて食べるのも美味しいんだけど、それって醤油をつけた魚が美味しいんじゃなくて、醤油の味がする魚が美味しい、っていうのが実際のところなんじゃないかなぁ。魚が持つ繊細な素材の味を醤油の濃い味で上書きしちゃうと、それぞれの魚が持つ旨味の違いを舌で感じる事が難しくなるんです。だから、食べやすくて美味しいんだけど、ぼんやりとした味になってしまいがちです。前提として、食べ物は嗜好品だからその人の好きな食べ方で食べるのが一番です。ただ、もしかしたら普段の食べ方よりももっと美味しい食べ方があるのに、それを知らないでいるというのはもったいないですよね。そんな思いでこれまでお客さんに勧めてきた食べ方があるんです。それが、「塩とわさび」をつけて食べるという食べ方です。

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「塩とわさび」こそが素材の味を引き立てる名コンビ

え?塩とわさび?そんな食べ方、初めて聞く……そんな声が聞こえてきそうです。騙されたと思って塩とわさびだけで食べてみてください。味に関しては、実際に食べていただく以上に実感していだける方法がないというのが僕の考えなのですが、記事なので文章でも頑張って表現してみますね。

 

例えば、サンマやアジ、イワシのような脂ののった光物白身の魚の場合、醤油をつけるとどれも同じ味で違いがわからないと感じてしまうことが多いです。一方、塩とわさびで食べたほうが脂の甘さだったり身の味わいの違いを決定的に感じられます。塩とわさびは、醤油のようにそれ単体で味が完成されていないため、食材の持つ味と掛け合わせることで初めて力を発揮するんです。好みにもよりますが、まずは塩はひとつまみ、わさびはちょっと多めにつけて食べるのが良いバランスになります。

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そして赤身の魚、特にトロを食べるときはわさびをかなり多く盛ってみてください。それも、「これでもか!」ってくらい大げさに、です。塩はひとつまみでOKです。一見すると、罰ゲームのように見えますがこれで一度食べてみてほしい理由があります。口に運ぶまでは戦々恐々としているお客様でも、実際食べてしまうと「あれ?あんなにたくさん盛ったのにワサビの利きがちょうど良くて美味しい」と拍子抜けしたような表情を浮かべます。そう、脂が非常に多い魚の場合、わさびがあまり利かなくなります。どうしてかというと、わさびの辛味成分を脂がコーティングしてしまい、辛味が舌に伝わりにくくなるからなんです。よく醤油の中にわさびを溶かす方がいますが、これではわさびの利きが悪くなってしまいます。塩とわさびの味つけを通し、特に脂ののった魚にはわさびを直接身の上に多く盛った方が良いということを体感できるのです。また、わさびが利きにくいならいっそのこと塩だけつけて食べる、というのも脂の甘さをより引き出してくれる食べ方なのでオススメできます。

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一方、脂の少ないさっぱりとしたネタ……例えばイカを食べる時はわさびの量はかなり少なめで十分です。理由はもうお分かりですよね。このように、同じ寿司、刺身でもネタが違えばわさびの適量が変わってきます。魚に合わせてわさびの量を調整し、塩をひとつまみ足すだけで素材本来の良さがグンと強調されるため、これこそが「寿司の究極的な食べ方」だと僕は自負しています。

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塩とわさびのコンビは「諸刃の剣」だが、試してみる価値アリ

塩とわさびのコンビは醤油のような強い味つけをしないため、魚が持つ旨みや風味を増長させてくれます。しかし、それがかえって魚臭さ、生臭さを強めてしまうケースもあるんです。その場合、「やっぱり醤油をつけた方が美味しいじゃん!」と思うかもしれません。でも、魚の本当の美味しさを知りたい方は、新鮮な魚を扱う寿司屋や居酒屋なんかに足を運ばれた時に一度塩とわさびのコンビを試してみてください。きっと、新しい寿司や刺身の魅力に気付けるはずです。

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